ISBN:4575941468 コミック
こうの 史代 双葉社
2008/01/12 ¥680

 
 
 
 
 以前から本屋で見かけていたし、すぐれた作家さんであることは何となく感じていたのだけど、何故か回避していた作家、こうの史代先生の新作。

 なんで買わなかったかと言うと、それはもう、絵柄に寂しさを感じたから。
 「街角花便り」なんかはいいんですが、以前本屋で目にした「夕凪の街 桜の国」がね、なんか購入に踏み切れない気持ちにさせたんですよね。

 後で知ったんですが、この本は被爆2世について書かれた本だったそうで、その話を聞いた時、「ああ、やっぱりな」と思ったことを覚えてます。

 オレの父母は戦争まっただ中の生まれでして、父親なんかは大阪に住んでましたから、戦中戦後の話は嫌と言うほど聞かされて育ったんですよ。
なので、基本的に戦争の臭いのする話は正直胸焼けがする、っちゅーか、居た堪れなくなってしまうんですね。

 なので、買わなくて正解だったな、と少し思ってました。
いくら良い話でも、受け付けないものはあるものでして。
 
 さて、閑話休題。
 
 この作品ですが、これも昭和初期〜戦争に入るまでのお話です。
が、なぜ買ったかと言うと、一言でいえば「絵に温かさを感じた」から。
 絵柄から察するに、恐らく戦争時分の話だろうなーとは思いましたが、キャラクターの表情に明るさを感じたので購入しました。

 ま、たまたま本屋に入って、最初に目についたのがこれだったので、「まあコレも縁か」と思い購入したんですが、非常に良かったです。

 主人公の子供時代〜大人へと育ってゆく過程、呉へ嫁入りしての生活、等々が無駄なくすっきりと、でも手抜きなく描かれていて、久しぶりにマンガ読みであることの有難さを感じました。

ネタばれになるので、本編にはあまり触れてませんが、本屋で出会ったら、是非是非。

 あーこういう満足感は「神戸在住」以来かも。

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